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入れ歯は寝る前は外した方がいいの?

衛生面と歯や粘膜への負担の観点からいうと、入れ歯は外して眠るのがおすすめです。入れたままですと、就寝中にお口の細菌が繁殖したり口内炎やむし歯、歯周病のリスクとなります。

基本は外してお休みください。

就寝時に入れ歯を外したほうがいい理由には、大きく分けて、①入れ歯を衛生的に保つため、②歯やお口の粘膜を健康に保つため、の2つがあります。これには、患者さんのお口の中の状態、噛み合わせ、入れ歯の種類や大きさなども関係します。夜間、見た目や気持ちの問題から入れ歯を外したくないというかたは、この2つについて考えていただければと思います。

1つ目は、入れ歯の衛生士の問題です。入れ歯は食事のたびに使用するため、ご自分の歯と同様に汚れが付着します。とくに入れ歯の歯ぐきの部分(床)は、水となじみのよいプラスチックで、汚れが残りやすい材質です。部分入れ歯のバネが複雑な形態をしているところにも、細かい汚れが残りやすいです。入れ歯に付着した汚れは『デンチャープラーク』と呼ばれ、プラーク中にはカンジダ菌などの菌が多く含まれます。この汚れを落とすには、物理的な洗浄と化学的な洗浄を併用しないといけません。そのため、入れ歯用のブラシで汚れを落とし、就寝時に入れ歯洗浄剤に漬けることが、一般的に推奨されます。もし入れ歯を入れたまま就寝するのなら、そのぶん洗浄を行うタイミングを1日のどこかでつくるようにしましょう。

2つ目は、歯や粘膜の健康についてです。入れ歯を入れたまま眠ると、お口の粘膜が炎症起こすリスクが高くなると報告されています。この口内炎(義歯性口内炎)は、入れ歯の下の粘膜が全体的に赤くなる炎症で、痛みを生じます。また、部分入れ歯の場合、入れたまま眠るとむし歯や歯周病が発生するリスクが高くなります。入れ歯のバネや歯ぐきの部分が接する歯や粘膜は、唾液による自浄作用が働きにくく、細菌が繁殖しやすいためです。ですから、入れ歯を入れたまま眠るのなら、起きているときに数時間、入れ歯を外して粘膜を休ませることと、入念な歯みがきを続けること、そして定期的な歯科検診で歯と粘膜の状態をチェックしてもらうことが大切になってきます。

大きな部分入れ歯の場合は違うことも。

ただし、大きな部分入れ歯を使用している患者さんの場合、残っている歯の本数と場所によっては、就寝時にも入れ歯を入れておくほうがいいこともあります。たとえば就寝中に歯ぎしりや食いしばりをする癖のある患者さんは、入れ歯が入ってないと、歯ぎしりや食いしばりにより、残っている歯や顎の関節への負担が大きくなってしまったり、歯が向かい合う粘膜に強く当たってしまいます。こうしたかたは、就寝中に装着する夜用入れ歯をつくるのもいいでしょう。気になるかたはかかりつけの歯医者さんに相談してみましょう。反対に、数本分だけの小さな部分入れ歯は、就寝時に外れて飲み込む危険性がありますので外しましょう。

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