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歯医者さんに通うべき5つの理由 パート1

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『健康で長生き』のカギはお口の健康にあり

超高齢社会の日本。1963年には153人だった100歳越えの方たちは、2020年には8万人を超えました。日本人の長寿化が進んでいます。

でも、寿命が伸びたからといって、健康に長生きできている人が増えているわけではありません。糖尿病の方は予備軍を含めれば約2万人いるといわれますし、60歳以上の高齢者の2人に1人、言うならば夫婦のどちらかは認知症になるという推計もあります。肺炎や誤嚥性肺炎などの感染症は、変わらず多くの高齢者を苦しめています。

長生きするなら、健康に行きたいですよね。そのカギのひとつが、お口の健康です。口は災いの元といいますが、様々な病気にお口の健康が深く関連しています。また残っている歯の本数が、寝たきりになるリスクや寿命に影響しているという研究もあります。

お口の健康が全身の健康に関わるケースはいくつもありますが、今回は①糖尿病、②認知症、③感染症についてお話をします。残りの2つ、④寝たきりになるリスクとの関連、そして⑤歯科医院で受ける予防指導の大切さについては次回ご説明します。

理由① 歯周病の治療が糖尿病の改善に役立つ

糖尿病が怖いのは、悪化した結果起こる合併症です。高血糖の状態が何年も続くと、血管が弾力を失い硬くなり、ボロボロに傷んでいきます。

その影響は血管の99%を占める毛細血管にとくに顕著で、血液の流れが悪くなり、酸素や栄養の供給も滞ります。腎臓などの内臓や網膜には毛細血管が張りめぐらされており、神経に栄養を運ぶのも血管です。ですから、糖尿病により血管が傷み続けると、やがては臓器不全(腎不全から人工透析に)や失明、神経障害などの合併症に至ることがあります。

そんな恐ろしい糖尿病悪化させるのが歯周病です。

人の膵臓からは、インスリンと言う、血糖を下げるためのホルモンが分泌されています。このインスリンが十分に働かなくなり、血液中を流れるブドウ糖を体内に取り込めなくなると高血糖になります。

インスリンが働かなくなるケースには、①インスリンの分泌自体が減っている、②インスリンの効きが悪くなっているの2つがあります。日本人の糖尿病患者さんの約95%は2型糖尿病といわれますが、これは②が多いです。

理由② 歯周病が認知症の進行に関与?!

歯周病菌の中には、親玉ともいえる病原性の高い菌がいます。この菌が怖いのは、歯周病を悪化させるように周囲の細菌に働きかけるだけでなく、歯周病菌の中でも際立って強力なタンパク質分解酵素を持っていることです。タンパク質を分解して、得られたアミノ酸をエネルギー源とするのです。歯周病が進行し、ひどい炎症を起こした歯ぐきは、床ずれのようにグズグズになっています。その傷口から菌が体内に入っていきますが、それはPg菌も例外ではありません。

認知症は複合的な要因で送ります。これまでも、お口からの要因としては『歯を失って咬めなくなると脳に刺激が行かず、認知症になるといわれていました。

加齢に伴い歯周組織や免疫が弱まると、歯周病になりやすくなります。だからこそ元気なうちから歯周病予防すること、もしなってしまったとしたら、歯医者さんの力を借りて悪化させないように管理していくことが大切となります。

理由③ きれいなお口は感染症予防の基本

肺炎は、細菌やウィルスが肺の奥にある肺胞に入り込み、そこで繁殖して炎症を起こす病気です。一方、誤嚥性肺炎は、唾液や飲食物に含まれる細菌が誤って肺に入り込み、そこで繁殖して肺炎を起こします。唾液や飲食物は、普通なら食道に入って胃に行くのですが、空気の通り道である気道に誤って入り込んでしまうのです。

加齢により、喉周りの筋肉が衰えた高齢の方がかかることが多く、日本人の死因の第6位を占める怖い病気です。

誤嚥性肺炎の予防には、歯科衛生士の専門家による口腔ケアが有効であることが、複数の研究から明らかになっています。お口の中、つまり唾液に含まれる細菌が減れば、誤嚥が起こっても肺炎につながる危険性が減るためです。

むし歯や歯周病は細菌が原因で、歯石やプラークの溜まったお口は、細菌がたくさんいる証拠です。ですから、誤嚥性肺炎も含め感染症予防の基本は、きれいなお口を維持することにあるといえるでしょう。

今回はまず3つお話させていただきました。次回は④寝たきりになるリスクとの関連、そして⑤歯科医院で受ける予防指導の大切さについてお話をしていきます。

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